正しい選択に“ワクワク”を
住商フーズ株式会社
住商フーズ株式会社は、フェアトレード認証原料の取り扱いだけでなく、日本のフェアトレード普及のため、フェアトレード認証コーヒーのコンテストに審査員として参加されるなど、啓蒙活動にも注力されています。生産者と消費者を繋ぐ取り組みや意義、そして住商フーズ株式会社の描く未来についてお話を伺いました。
フェアトレード普及のため、さまざまな活動を展開
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まず、貴社におけるフェアトレードのお取り組みについて教えてください。
住商フーズ株式会社は“World Food Curator”として、世界中の様々な食材を取り扱う食品の専門商社です。フェアトレード認証原料としては、グアテマラ・ホンジュラス・ペルー・エチオピア・ニカラグアを中心に、中南米・アフリカの各国から輸入したコーヒーとゴマを取り扱っております。

原料の輸入に加えて、日本でのフェアトレード認証製品の普及のため、国内外のフェアトレード関連組織との連携を通じた啓蒙活動にも注力しています。具体的には、日本開催の展示会でのフェアトレード認証コーヒーのブースでの手伝いや、生産国で開催されたGolden Cup(フェアトレード認証コーヒー限定のコンテスト)への審査員としての参加、フェアトレード認証を受けた生産者との海外での合同商談機会への参加などを行いました。
生産者と消費者を繋ぐ、商社ならではの役割
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さまざまなステークホルダーと生産者との間に繋がりを作ることに対して、どのような意義があると考えていらっしゃいますか?
生産者の想いを日本の消費者に、日本の消費者の言葉を生産者に“つなげる”のも我々商社の役割だと考えています。遠い国からきたコーヒーでも、つながりを持つことで近くに感じ、コーヒーを通して生産者、生産国や広くサステナビリティに想いを馳せられる意義があると思います。知った生産者が作った製品を買って応援することで、コーヒーを飲んだ時に得られる満足感もひとしおになるのではと思います。
我々日本人が毎日手にするコーヒーというのは、実に多くの方々の支えの下、日本に届けられています。生産者の堆肥、生産、収穫からはじまり、長い加工プロセス、港までの輸送、輸出、海上輸送、輸入、国内輸送、焙煎加工…良く耳にする“Seed to cup”の“to”にはこれだけ多くの人が関わっています。サプライチェーンが非常に長いため品質を保つのも難しいですが、一人ひとりの生産者のトレーサビリティを確保することはもっと困難です。そんな中、生産者がどんな想いでそのコーヒーを作っているのか、その背景や歴史まで消費者にお届けすることができればきっとコーヒーの重みが増し、普段飲んでいるコーヒーがいつもよりもずっと豊かになります。また、つながりを持つことで消費者の方の声を生産者にフィードバックできる機会ができ、生産者はより高い品質を目指す良い循環が生まれ、結果、より美味しいコーヒーが日本で飲める、まさにサステナブルな社会を実現できると信じています。

エチオピア シダモにある
FLOプレミアムで設立・運営されている学校
FLOプレミアムで設立・運営されている学校

「正義感だけでなく、ワクワク感をもって選ばれること」を
“あたりまえ”にしたい
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今年度のミリオンアクションキャンペーンのテーマは「あたりまえを、ありがとう」です。フェアトレードを通して守っていきたい今の“あたりまえ”や、これから“あたりまえ”にしていきたいことを教えてください。
カフェで飲むコーヒー、お店で買ってきて家で飲むコーヒーがいつも美味しいことが「あたりまえ」。とても恵まれた、幸せなことです。
この“あたりまえ”は、生産者・商社・メーカー・バリスタ…、様々な人が紡いできた技術と想いで成り立っていると思います。異常気象や戦争で“あたりまえ”が崩れる中、フェアトレードをはじめサステナブルな商品は、正義感だけではなく美味しい!おもしろい!とわくわく感をもって選ばれるものであることを“あたりまえ”にしていきたいと思います。
ものを買うことは、その商品への投資であり投票です。美味しいコーヒーのあたりまえを紡ぐ一人として、フェアトレード認証製品を通じてより良い未来に投資できるように、いろいろなところで商品という機会を作っていきたいと思います。